take off

星を見失った方舟で
大海原をゆらゆらと
漂ってるみたいだった。
どこに向かって。
何を目指して。
何も見えないまま
旋回していた。

でも、ある日。
あの、風が吹いた日。
雲の切れ間から、
霧の透き間から、
見えたんだ。
ずっと、光っていた、
ずっと、光を届けてた、
あの、星たちが。
ひとすじの、まばゆい光が。

白い羽いっぱいに
風を受けて
進み始めたんだ。
まっすぐに。
真っ白い
プロペラを回して。

by M.iku 2007.01.15