たったひとつのこと。

フツフツと沸きあがり
静かにあばれてた
胸の奥に込み上げる黒い塊は
涙へと正体を変えた。

いつだって
この胸にいるのに
どうしてかな
言葉を欲しがってる。

フイに弾かれて
微かに震えてた
喉の奥に込み上げる灰色の塊は
言葉へと姿を変えた。

いつだって
心はそこにいるのに。
いつだって
心はここにいるのに。

眩しさに目を細め
少し照れて笑った
瞳の奥に溢れ出す白い塊は
心へと帰ってた。

by M.iku 2004.10.18